私たち自遊人が企画・運営を行う「箱根本箱」がグッドデザイン賞ベスト100を受賞しました。さらになんと!箱根本箱企画中に生まれた会員制書店というアイデアを実装した「文喫」もベスト100に。昨年まで審査委員をしていたので、ベスト100のハードルがいかに高いか知っています。それだけに感動、感激ひとしおです。
思い起こせば4年前、2015年に始まった日本出版販売と自遊人の共同プロジェクト。駅前書店が担っていた「知らなかった知識との出会い」の場を作りたい。そして本という形態を見直してもらいたい。そんな思いからスタートしたのですが、実現は容易ではありませんでした。
日販はご存知の通り書籍流通の会社。「なぜホテルを?」ということになり、ゴーサインが出るまで2年弱の検討期間がかかりました。
しかし本の未来を真剣に考える会社ですから、ゴーサインが出てからは、私たちも驚くほどのスピードで様々な事業にチャレンジしています。その一号店が「箱根本箱」なのですが、今回のダブル受賞はその「第一歩」を評価してもらったものと捉えています。
そして「箱根本箱」のもう一つの特徴は、ライブラリーではなく「すべての本が買える」書店であること。
私たち自遊人が日販に提案したのは、全ての本が買える「本当のブックホテル」。企画が始まった当初、日本にはまだライブラリーホテル(ブックホテル)も存在していませんでした。
気持ちがニュートラルな状態の旅先では、駅前書店よりもさらに「新しい世界の知識」と触れ合う機会が増えます。実際に箱根本箱での一人あたり書籍購入金額は一般書店の3倍! これは私たちの仮説を裏付けるものであり、とても嬉しいことです。
そしてさらに。2社の共同プロジェクト「箱根本箱」は、それぞれの会社で様々なプロジェクトへと発展していっています。日販が単独でスタートさせた「文喫」は最初の事例ですが、来年春には長野県松本市に「松本屋」が自遊人の資本で開業予定。文字通り松本の本屋さんですが、箱根本箱や文喫とはまた違う、仕掛けを考えています。
ちなみに私たち自遊人の運営ですから、食事も本気。夕食のコンセプトは「東海道の自然と歴史を表現したローカルガストロノミー」です。
「まだ箱根本箱に行ったことがない」という方はぜひ箱根本箱にお越しください。皆様のお越しをお待ちしております!
箱根本箱クリエイティブディレクター
自遊人 代表取締役 岩佐十良
受賞を記念して(?)、「箱根本箱 開業ものがたり」を公開中です。
ぜひご覧下さい。(PDFダウンロードできます!)
https://hakonemag.com/information/1053
受賞概要・グッドデザイン賞ウエブサイト
https://www.g-mark.org/award/describe/49672